エリオット波動理論とは?覚えておきたい特徴とFX取引での活用法
エリオット波動の基本は5つの推進波と呼ばれる波と3つの修正波と呼ばれる波からなります。波の事を波動と呼ぶこともありますが、基本的には同じ意味です。推進波は相場が進行することで上昇の場合もあれば下降の場合もあります。修正波は推進波の5波動が終わったら、価格を逆行して修正する波のことです。
エリオット波動理論はとっつきにくいイメージが持たれがちですが、基本原則は次のたった3つだけです。
・波動1・3・5の中で波動3が一番短くなることはない
・波動2が波動1よりも安値をつけることはない
・波動4が波動1の高値を下回ることはない
これらの原則をおさえればエリオット波動への理解は比較的深まりやすいでしょう。
これらの基本原則に則った波動がいくつにもフラクタル構造(入れ子状態)になっており、その組合せで分析の幅が広がっている点も併せておさえておきたいポイントです。
▼ エリオット波動とフィボナッチ比率
エリオット波動の押さえておきたい特徴
▼ 6つの波動
・I波動
上昇もしくは下降のみを表す1本の線で表されるシンプルな波動です。I波動を形成したあとにV波動となる傾向があります。
・V波動
V波動はI波動が2つ連続して形成される波動です。V波動はI波動のあとに形成され、N波動などに繋がるケースがしばしば見られます。
・Y波動
Y波動は逆三角形のペナントを形成する波動で後述するP波動の逆の波動です。徐々に値幅が大きくなっていくため、高値・安値を更新しながら拡大三角を形成していきます。つまり、高値→安値→高値→安値→高値→安値を更新しながらペナントを形成するということです。エントリー難度が非常に高く、トレード上級者でもY波動に関してはトレードを控える傾向にあります。
・P波動
P波動は三角形のペナントを形成する波動で三角持ち合いと呼ばれる状況で出現します。形成されたのちはN波動への繋がりが考えられます。
・N波動
N波動は上昇・下降の値幅が等しい波動のことです。N波動は最も基本的な波動で、このN波の中に様々な波動が形成されるパターンが殆どです。レンジ相場や上昇・下降トレンドの発生時にもN波は形成されます。
・S波動
S波動は高値(安値)エリオット波動の基本パターンとは 更新した後に修正波が入った場合に、前回の高値(安値)がサポート・レジスタンスとして機能し再び反発後、高値(安値)をつけにいく波動です。
N波動後に反発し、形成されるケースが多いです。高値(安値)を連続で更新するので強気のトレンドが発生している際に形成される傾向にあります。
▼ よく見られるトレンド回帰型のチャートパターン
・トライアングル
上昇・下降の値幅が次第に狭くなるチャートパターンで三角形を描きながら横ばいの波動となっていきます。通常は徐々に収束していきますが、波動の形で上昇型トライアングル・下降型トライアングル・拡大型トライアングル・ランニングトライアングルといった複数の種類のいずれかに分類されます。
・ブロードニングフォーメーション
最高値更新と最安値更新を交互に繰り返して拡大していく波動です。逆三角形の形状をしており、先程のY波動と形は同じとなります。通常のトライアングルと異なり、取引量・取引参加者が徐々に増えていくシチュエーションで形成されます。そのためマーケットの天井で形成されるパターンが多いとされています。
・ペナント
トライアングルとほぼ同義です。
・フラッグ
高値同士と安値同士を結んだ長方形内で価格が上下し、均衡状態を保っている様子です。典型的なレンジ相場ですが、上昇もしくは下降方向に進行していることが特徴です。急激な値動きの前に形成されるケースが多いです。
・ウェッジ
値幅の小さな状態が長く続いている波動です。トライアングルやペナントの進行方向がより鋭利な角度で形成されています。長い時間をかけて徐々に値幅が縮小するため比較的穏やかな相場時に形成されます。しかし、エネルギーを貯めている状況とも言え、反発時は急激に反発する恐れがあります。
▼ よく見られるトレンド転換型のチャートパターン
・ダブル
2つの山が出現しトレンドの終わりに形成される波動です。ダブルトップとダブルボトムがあり、それぞれ上昇・下降トレンドの終わりに出現します。トップは3,5波の山が、ボトムは2,4波の谷がそれぞれ山を形成します。
・ヘッドアンドショルダー
3つの山が形成される波動です。特徴としては5波にあたる真ん中の山が最も高くなる点が挙げられます。トレンド時によく出現しますが、これも反転のサインです。
・ライン
ライントップと呼ばれる山の頂点が同値に位置している波動です。相場が横ばいに推移していることを表します。相場の天井で見られますが、ラインの場合は1,3,5波の3回天井を付ける点に注意したいです。
・ソーサ―
ラインとほぼ同じ状況で出現しますが、天井が直線ではなくおわん型の曲線となっていることが特徴の波動です。
エリオット波動理論の活用法
①利益確定や損切りのタイミングを考える際に参考にする
波動は値幅や方向感の分析に役立ちます。そのため、利益確定ラインや損切ライン、またそのタイミングを考える際の参考になるでしょう。他のテクニカル指標と組合わせて使用して根拠を増やしておけば確度は高まるでしょう。当然、過信するのではなくそのラインで反発する一定の可能性があるという判断にとどめることは忘れないようにしましょう。
②3波の波に乗る
エリオット波動を用いた最もシンプルなエントリー方法は3波を捉えてエントリーする方法です。3波は全5波の中で最も上昇・下降する幅が大きく、大きな利益を狙いやすいメリットがあります。具体的なエントリーのタイミングですが、2波の途中、1波の高値(安値)を超えたタイミングです。この高値(安値)を超えるかどうかはしっかりと確認する必要があります。決済のタイミングは3波の終盤がベストでしょう。
③4波の波に乗る
エリオット波動を用いたもうひとつの最もシンプルなエントリー方法は4波を捉えてエントリーする方法です。4波で3波と逆サイドの注文をすることで下落(上昇)局面でも利益を狙いにいけます。ただ、4波は3波に比べて値幅が小さいので5波の推進波が来る前の決済を忘れないようにしましょう。
④フィボナッチ・リトレースメントと組合せて使用する
フィボナッチ・リトレースメントは高値と安値の値幅にフォボナッチ比率をかけたもので、どこが波動の反転箇所(サポート・レジスタンス)となるかを判断する材料となります。フィボナッチ・リトレースメントでは、「23.6%」、「38.2%」、「50.0%」、「61.エリオット波動の基本パターンとは 8%」、「76.4%」の比率に自動的にラインが引かれるため視覚的にもどこで反転するのかといった判断が単純にしやすいのも特徴です。
基本のテクニカル指標をマスターしたら、チャレンジしてみよう
マーケット情報
みんなのマーケット
お役立ちコンテンツ
エリオット波動の基本パターンとは約5分で申込完了!最短当日取引可能
今なら新規口座開設で
最大 50,000 円キャッシュバック
【取引に関する注意事項】
■店頭外国為替証拠金取引「みんなのFX」「みんなのシストレ」、店頭外国為替オプション取引「みんなのオプション」及び店頭暗号資産証拠金取引「みんなのコイン」は元本や利益を保証するものではなく、相場の変動等により損失が生ずる場合がございます。お取引にあたっては契約締結前交付書面及び約款を十分にご理解頂き、ご自身の責任と判断にてお願いいたします。
■みんなのFX、みんなのシストレにおける個人のお客様の証拠金必要額は、各通貨のレートを基に、お取引額の4%(レバレッジ25倍)となります。ただし、トルコリラ/円及びロシアルーブル/円においてはお取引額の10%(レバレッジ10倍)となります。法人のお客様の証拠金必要額は、金融先物取引業協会が算出した通貨ペアごとの為替リスク想定比率を取引の額に乗じて得た額又は当該為替リスク想定比率以上で当社が別途定める為替リスク想定比率を乗じて得た額となります。為替リスク想定比率とは、金融商品取引業等に関する内閣府令第 117 条第 27 エリオット波動の基本パターンとは 項第 1 号に規定される定量的計算モデルを用い算出されるものです。
■みんなのコインにおける証拠金必要額は、各暗号資産の価格を基に、個人のお客様、法人のお客様ともにお取引額の50%(レバレッジ2倍)となります。
■みんなのFX、みんなのシストレ、みんなのコインはレバレッジの効果により預託する証拠金の額以上の取引が可能となりますが、預託した証拠金の額を上回る損失が発生するおそれがございます。
■みんなのFX、みんなのシストレ、みんなのオプション、みんなのコインの取引手数料及び口座管理費は無料です。ただし、みんなのコインにおいて建玉を翌日まで持ち越した場合、別途建玉管理料が発生します。
■みんなのシストレの投資助言報酬は片道0.2Pips(税込)でありスプレッドに含まれております。
■みんなのFX、みんなのシストレにおけるスワップポイントは金利情勢等に応じて日々変化するため、受取又は支払の金額が変動したり、受け払いの方向が逆転する可能性がございます。
■みんなのFX、みんなのシストレ、みんなのコインにおいて当社が提示する売付価格と買付価格には価格差(スプレッド)がございます。お客様の約定結果による実質的なスプレッドは当社が広告で表示しているスプレッドと必ずしも合致しない場合もございます。お取引に際して、当社が広告で表示しているスプレッドを保証するものではありません。
■みんなのFX、みんなのシストレ、みんなのコインにおけるロスカットルールは、必ずしもお客様の損失を限定するものではなく、相場変動等により、預託した証拠金以上の損失が発生するおそれがございます。
■みんなのオプションは満期時刻が到来すると自動行使されるヨーロピアンタイプのバイナリーオプション取引です。オプション料を支払うことで将来の一定の権利を購入する取引であることから、その権利が消滅した場合、支払ったオプション料の全額を失うこととなります。購入価格と売却価格は変動します。1Lotあたりの最大価格は、購入の場合990円、売却の場合1,000円です。オプション購入後の注文取消は行う事ができませんが、取引可能期間であれば売却は可能です。ただし、売却価格と購入価格には価格差(スプレッド)があり、売却時に損失を被る可能性があります。相場の変動により当社が提示する購入価格よりもお客様に不利な価格で購入が成立する場合があります。また当社の負うリスクの度合いによっては注文の一部もしくは全部を受け付けられない場合がございます。
■暗号資産は本邦通貨または外国通貨ではありません。法定通貨とは異なり、特定の国等によりその価値が保証されているものではなく、代価の弁済を受ける者の同意がある場合に限り代価の弁済に使用することができます。
金融商品取引業者 関東財務局長(金商)第123号 加入協会:日本証券業協会 一般社団法人 金融先物取引業協会 一般社団法人 第二種金融商品取引業協会 一般社団法人 日本投資顧問業協会 一般社団法人 日本暗号資産取引業協会 日本投資者保護基金
FX・バイナリーオプション・システムトレードなら、「みんエフ」でお馴染みのみんなのFX!みんなのFXは、トレイダーズホールディングス株式会社(スタンダード市場上場8704)の100%子会社であるトレイダーズ証券株式会社が運営しています。
金融商品取引業者 関東財務局長(金商)第123号 加入協会 日本証券業協会 金融先物取引業協会 第二種金融商品取引業協会 日本投資顧問業協会 トレイダーズ証券は、上場企業トレイダーズホールディングス(スタンダード市場上場8704)の100%子会社です。
エリオット波動理論で相場のパターンを把握しよう!
エリオット波動理論とは、相場は5つの上昇波と3つの下降波で1つの周期を形成するという考え方です。 この5つの上昇波は実際すべてが上がる波を指しているのではなく、「上→下→上→下→上」と、3回上がって2回下がるものです。 全体的に相場は上がるため、これら5つの波をすべて含めて5つの上昇波としています。 3つの下降波も上昇波同様に「下→上→下」で、ジグザグに動きながら全体的に下がるものです。 5つの上昇波を推進5波、3つの下降波を修正3波と呼ぶこともあります。
エリオット波動理論の3原則
- 原則(1)…波動3が波動1・波動3・波動5の上昇の中で一番短くなることはない
- 原則(2)…波動2が波動1のスタート地点を下回ることはない
- 原則(3)…波動4が波動1の高値を割り込むことはない
この3つの原則は、「エリオット波動となるための3つの条件」とみることができ、推進5波で確認できます。 そのため、3つの原則がチャートでエリオット波動だと確認できた場合、修正3波の動きが予想しやすくなるということです。 ただし、エリオット波動の3原則自体は偶然起こるものであり、 「3つの原則のどれかを確認できたら、為替相場はエリオット波動だ!」という理由はありません 。 これらの3つの条件が偶然揃った場合にエリオット波動の理論を適用しやすいということです。 いずれも理由がないという根拠は明白で、相場は需要と供給で成り立つからです。 「必ずこうなる」という法則があれば、そこにヘッジファンドが数千億円などの大金を投入したとき、法則があったとしてもすぐに崩れてしまいます。 エリオット波動の基本パターンとは そのため、エリオット波動理論の3原則は、あくまでエリオット波動に該当するパターンを見つけるための手段になります。
相場はN字に動く
エリオット波動理論を中心にテクニカル分析に取り組むとき、意識すべきことは相場がN字の動きをすることです。 そして、N字は斜めの状態で並び、相場のジグザグを形成しています。 これはエリオット波動理論が当てはまる相場だけでなく、どんな相場でも必ず、大小さまざまなN字が連続して構成されています。 ⇒相場でN字の動きを見やすくできるインジケーターについてはこちら
フィボナッチと組み合わせて波の転換点を予測
エリオット波動理論はフィボナッチと組み合わせることで波の転換点を予測することができます。 「このチャートでエリオット波動理論が成り立つ」という予測が正しければ、上昇5波・下降3波が発生することはわかりますよね。 しかし、これだけでは「それぞれの波の転換点がどこか」ということはわかりません。 つまり、波が起こる回数はわかっても、起こる場所がわからないのです。 この場所を推測するためにフィボナッチ比率を活用します。 フィボナッチ比率とは、フィボナッチ数列(隣り合う2つの数字の和で作られている数列)で現れる比率です。 なかでも特に有名なものが黄金比と呼ばれる1.618という比率であり、2つの数字の大きい方を小さい方で割ると、1.618になるパターンを指します。 エリオット波動理論のなかでも、1.618の比率で値動きを予測できるケースが多くあります。 たとえば、第2波の下り坂が終わったあとの、第3波の上り坂の長さです。 これは下り坂の1.618倍の長さになることが多く確認することができます。 ただし、あくまで相場がエリオット波動理論で動くという予測が的中した場合になりますが、細部まで値動きを予想することが可能です。
エリオット波動理論はチャートパターン
エリオット波動理論の6つの波動
エリオット波動理論の8つの波は、6つの波動に分けられます。
I波動 | 単純な上昇・下落の波動パターン。 I波動はあくまで、その1本の線だけに着目したときの分類です。 一方向に動き続ける相場はないため、I波動は必ずいつかV波動になる。 |
V波動 | 上昇からの下落、下落からの上昇の波動パターン。 I波動から V 波動になる。 |
Y波動 | 上下動を繰り返し、その落差がだんだん広がる波動パターン。 N 波動が連続した波動でもある。 |
P波動 | 上下動を繰り返し、その落差がだんだん縮まる波動パターン。 N 波動が連続した波動でもある。 |
N波動 | I 波動と V 波動の合体した波動パターン。 すべての波動パターンの基本形である。 |
S波動 | 急激な上昇・下落したときの波動パターン。 サポートライン・レジスタンスラインのブレイク時に確認できる。 |
5つのトレンド回帰型
1.トライアングル
トライアングルは、相場の上昇・下落の値幅が徐々に狭まくなるチャートパターンです。 狭まる方向に向かってグラフが>の形で三角形になることから、トライアングルと呼ばれます。
2.ブロードニングフォーメーション
ブロードニングはトライアングルの逆で、上昇・下落の値幅が広がっていくチャートパターンです。 ブロードとは英語で「幅が広い・幅を持つ」という意味があります。
3.ペナント
ペナントとは三角の旗のことですが、グラフが>になるため、この名前がついています。 トライアングルと形は似ていますが、出現する前に急激な上昇・下降があることが違いです。 この旗は|と>に分かれており、最初の|が急激な上昇・下降です。 そのあと、しばらくジグザグのレンジ相場になりますが、それが>になります。
4.フラッグ
フラッグは、ペナントの旗の部分が長方形のような形のチャートパターンです。 この2本の赤い線の間で価格が上下を繰り返し、均衡状態を保っています。 つまり、「なかなかこの価格帯から出ない」という状態です。 このような状態を通常はボックス(レンジ相場)と呼びます。 ボックスとフラッグの違いは、トライアングルとペナントの違いと似ており、旗の棒部分の|に当たる、急激な上昇・下降が直前にあるかどうかです。 あればフラッグ、なければボックスとなります。
5.ウェッジ
日本語でも「エッジが利いた」といいますが、エリオット波動におけるウェッジは鋭い形のチャートパターンです。 トライアングルやペナントの>が、より急な角度のチャートパターンを指します。 そして、>が尖るということは、値幅が小さい状態が長く続いているということです。 つまり、トライアングルやペナントより、長い時間をかけて徐々に値幅が狭くなっている状態になります。 この点では、ウェッジという言葉のイメージとは裏腹に、相場が穏やかに推移しているといえます。 ただ長く静かな状態が続いていたということで、その後の 反発は急激になる可能性 があります。 ウェッジ自体は比較的穏やかな相場ですが、その終了後は穏やかとは限らないということです。
5つのトレンド転換型
1.ダブルトップ
ダブルトップは山が2つあるチャートパターンであり、文字でいうとMのような形になります。 エリオット波動理論における上昇第3波・上昇第5波が2つの山に該当します。 また、上昇第2波・上昇第4波の2つの谷の部分はダブルボトムです。 こちらはWの形になります。
2.ヘッドアンドショルダー
ヘッドアンドショルダーは3つの山ができるチャートパターンで、まん中の山が一番高いというのが特徴です。 この部分が頭、両わきの山が肩に見えるため、この名前がついています。 エリオット波動理論における上昇第5波の頂点が頭に当たります。 さらに上昇第3波が1つ目の肩、上昇第5波が終わったあとの下降第2波が2つ目の肩です。
ラインは相場の横ばいが続いている状態です。 高値でのラインはライントップといい、相場の天井を示すものです。 天井に達すると相場は下落に転じることが多いものですが、エリオット波動では上昇第3波・上昇第5波の頂点部分で、このライントップが見られることがしばしばあります。
4.ソーサー
ソーサーはラインとほぼ同じもので、ソーサートップであれば相場の天井を示します。 ラインとの違いは、その天井が直線でなく曲線ということです。 ソーサーとはカップの下に多く皿のことですが、その皿のようにゆるやかな曲線になっています。
5. スパイク
スパイクは瞬間的に突出した高値・安値がついたチャートパターンです。 スパイク(spike)は英語で「急上昇・急増する」という意味があり、FX用語のスパイクは下降の意味も含めたものです。 そして、急激に下降し上昇することをスパイクボトムといいます。 逆に、急激に上昇し下降するのはスパイクトップです。 エリオット波動では、上昇第3波・上昇第5波の前の上昇、あるいは後の下降でスパイクが見られることがあります。
エリオット波動分析に便利なインジケーター「ジグザグチャート」
チャートパターンを分析する前に、まず自分で線を引かなければいけないのが大変ですよね。 「 GMOクリック証券 」が提供している高性能取引ツールのプラチナチャート+では「ジグザグチャート」と呼ばれる相場の高値と安値を線で自動的に結んでくれるインジケーターを利用することができます。 「ジグザグチャート」はエリオット波動をよりわかりやすくトレーダーに可視化し、分析に大きく役立てることが可能です。
エリオット波動理論では値幅観測が可能
エリオット波動理論は値幅観測ができ、「このポイントからこの値幅だけ上昇するだろう」という予測が可能です。 そして、値幅観測には主に4つの方法があり、それぞれ値幅が異なります。 4つの観測方法は、同じチャートパターンでそれぞれ別々のポイントを区切りとして「長さ」・「高さ」を測ります。 同じチャートパターンで別の測り方をする以上、幅が「長くなる測り方」・「狭くなる測り方」が、最初から決まっているわけです。 では、エリオット波動理論の4つの観測方法を紹介していきます。
N計算では、まず、1つ目~2つ目の点の長さを測ります。 最初の縦線の|の長さです。 続いて、2つ目の点~3つ目の点斜線の長さは無視します。 そして、3つ目の点~4つ目の点の長さは、測るのではなく予測します。 この予測は「最初の縦線の長さと同じ」というものです。 当たるとは限りませんが、大体そのくらいになることが多いといわれています。 この値幅予測をN計算といいます。
Eの文字は3本の横線でできていますが、これを高値・中値・安値と考えてください。 E計算の考え方は「この3本の横線は、等間隔になる」というものです。 エリオット波動理論では、まず安値から中値に上がったときの値幅を測ります。 そして、中値から高値に上がるときも、同じ値幅で上昇すると考える計算方法です。
Vの文字は2本の斜線で成り立っています。 V計算では、まず1本目の斜線の長さを測ります。 次に、2本目の長さは無視します。 そして、2本目の終わり、V字の終わりの後にどれだけ上昇するかを予測します。 この予測は「1本目の斜線の長さと同じ」というものです。 予測が当たれば相場はきれいなV字ではなく、右側が長いV字になります。
4.NT計算
これはN計算を応用したものですが、なぜTがつくかというと〒に似た形が現れるからです。 より正確にいうと干の文字に近い形が現れます。 干の字は、Tが2つ合体した文字に見ることができます。 Tの文字は高値の線と底値の点を示します。 エリオット波動の基本パターンとは これが2つ重なって干の字になれば、高値の線・中値の線・底値の点が揃います。 この時点で「E計算と似ている」と思うかもしれませんが、原理はE計算と同じです。 違いは「中値をどう判断するか」が鍵となります。 中値は一定ではなく、実際にはジグザグしています。 「大体このあたりが中値」というとき、中値の最高値・最安値があるのです。 この最高値を選んで中値とするのがE計算、最安値を選んで中値とするのがNT計算になります。
観測方法の順番に注意!
エリオット波動理論の観測方法は値幅が異なるため、観測をするときは順番に注意が必要です。 基本的に値幅の小さい順に観測し、値幅の小さい順に観測方法を並べると「NT計算→V計算→N計算→E計算になります。 値幅の小さい順に観測するのは、小さいパターンの方が発生しやすいからになります。 そして、チェックするのは「それぞれのパターンを満たしているか」です。 4つとも満たしていたら、相場は反転する可能性が高いと判断できます。 ただし、一番値幅が小さい NT計算のパターンを満たしただけで、相場が反転すると判断するのは危険 であり、「V・N・Eの3つのパターンをすべて満たした」となってから動く方が安全でしょう。 もちろん、すべてのパターンを満たしても絶対に反転するとはいえず、あくまで確率が高くなるというだけです。 しかし、NT計算だけを見て動くよりは、4つの計算を全部見て動く方が堅実といえます。
エリオット波動理論を利用するメリット
N字を分析していくことでチャートが理解できる
比較的大きなN字が連続するとトレンドになります。 そして、トレンドは上昇か下降かのどちらかであり、トレンドを見つけた時点で「上げ相場」か「下げ相場」の大きな区別がつくのです。 また1つのトレンドだけでなく、それまでも中長期のトレンドも見ることで、大局をつかむことが可能です。 現時点で起きているトレンドを観察すれば、何かしらのチャートパターンが見つかることが多くあります。 たとえば、ヘッドアンドショルダーを見つけたら、「上げ相場は終わった」「4つ目の山はこない」という予測が可能です。 さらに値幅観測をすることで、実際にどこで売るか、あるいは買うかというポイントも決めることができます。
利益確定や損切りのタイミングの参考となる
エリオット波動理論は、利益確定や損切りのタイミングを考えるときに役立ちます。 他の指標などと同じく、エリオット波動理論も絶対ではありません。 しかし、やみくもにタイミングを決めるよりは成功率が上がります。 また、利益確定・損切りとも何らかの根拠を持って行う方が、目論見が外れた場合でも学べることが多いでしょう。
エリオット波動理論をもっと活用するためには?
プロの思考から学ぶ「西原宏一の思考パターンセミナーDVD」
エリオット波動理論をより理解するために、西原宏一氏による「思考パターンセミナーDVD」をぜひとも参考にしてみてください! 元外資系金融機関のチーフトレーダーである西原宏一氏だからこそ、プロならではのトレード思考やトレードにおける秘訣を29,000円で学ぶことができます。 テクニカル分析以外にも資金管理やストップロスといった分析以外の大切な部分も学ぶことができるため、今のトレードに不安がある方には必須級の内容になっています。 また、購読される方限定でトレードに悩む方必見のうれしい特典もあります。
エリオット波動は相場の基本的な値動きパターン 押し目で稼ぐ
引用元:Yahoo!ファイナンス「シュッピン(3179)」より
上の株価チャートはエリオット波動がわかりやすく示現されている好例です。
第1波~第5波までが株価の上昇局面の波動です。
上昇⇒下落⇒上昇⇒下落⇒上昇のサイクルが一目でわかります。
A波~Ⅽ波は株価の下降局面の波動です。
下落⇒上昇⇒下落のサイクルが見て取れます。
上昇局面5波動
第1波…本格上昇のための基盤固めの波
第2波…終着点が第1波の始めを割り込まず、第3波の本格的な上昇を示唆
第3波…出来高を伴って上昇局面で最大の株価上昇をする
第4波…最後の上昇である第5波を形成する前の基礎固め。複雑なチャートになることも
第5波…最後の株価の吹き上げ
下降局面3波動
A波…押し目と間違われやすい。そのため、投資家の買い意欲が強くB波の上昇を誘う
B波…A波による下落に対する一般的な戻り。小反発
Ⅽ波…完全な株価の調整局面。上昇サイクルが完全に終わったことを意味する
エリオット波動の注意点
エリオット波動による分析は、NYダウや日経平均などの株価指数、ゴールドなどの商品や為替などのチャート分析との相性が良いのですが、個別株との相性は良くない場合があります。
エリオット波動ってなに?相場の波をかんたんに読むテクニカル分析の方法とは
つまり、エリオット理論は将来の市場平均の推移を予測することで、投資によって利益を上げる目的があるのです。
この理論によって、相場は上昇時にはじわじわと、下降時には一気に下落するという傾向がわかっています。
エリオット波動にも活用できるフィナボッチの黄金比率とは
つまり、人間も元々は自然界のものであるから、自然界に隠れている黄金比が人間の心理を反映した相場に適用できるのではないか、ということなのです。
エリオット波動とダウ理論の違いとは
つまり、エリオット波動はダウ理論をテクニカルに説明したものであると言えるのです。
エリオット波動の基本的な使い方を解説
このフィボナッチ数列こそ、相場が反転する指標になります。
エリオット波動のインパルス波動
エリオット波動には波の種類があります。上述した上昇5波、下降3波です。この波のうち、5波の動きのことを「インパルス波動」と呼びます。
インパルスは日本語に直すと「推進的」という意味ですので、5波すなわち、インパルス波動はトレンドに従った値動きのことを意味します。
逆にトレンドとは逆行した値動きのことを「コレクティブ波動」と呼びます。
エリオット波動の波の数え方・精度の高いカウントのコツ
大きな波も小さな波も、根本的な数え方は変わりません。
エリオット波動のチャートパターンを見抜く方法
トレンド転換型は第3波、第5波で観察できます。トレンド転換型の波が出ると、高確率で反転すると言われています。つまり、これはトレンドが終わることを意味しており、そこから値動きが下降するということです。
エリオット波動の推進波と修正波(調整波)
つまり、エリオット波動は推進波と調整波の合計8つの波で1つのサイクルが形成されているのです。肝になるのは、波をどのようにしてカウントしていくかとなります。
エリオット波動のエクステンション・衝撃波の見分け方
実際の市場の値動きは教科書通りにN字の波を描くとは限りません。複雑な推進波のどれかがエクステンション(拡張しており)している可能性があるのです。
エリオット波動のABC調整のジグザグ
そして、下降2波目(B)の中に3波があり、最後の下降3波目(C)に5つの波を観測する、ということになります。
エリオット波動のウェッジ(ダイアゴナル・トライアングル)
つまり、これをダイアゴナル・トライアングルを正確に観測できれば、その後の値動きも粗方予測できることになります。
エリオット波動のチャネリング・チャンネルラインの引き方
チャネルラインはエリオット波動の動きを予測するための目安となります。チャネルラインには3つの種類があり、それぞれ目的が異なります。そのため、理想はすべてのチャネルラインの引き方とその目的を把握しておくことです。
まず、1つ目は「0-2チャネルライン」です。引き方は0波すなわち、トレンドの始点から2波の終点に線を結びます。そして、引いた線と平行に1波の終点からもう1つ線を引きます。0-2チャネルラインの目的は、衝撃波とジグザグの修正波の予測です。
2つ目は「1-3チャネルライン」です。最初の線は1波の終点と3波の終点に交わります。そして、この線と平行に2波の終点から4波の終点を引きます。目的は4波(調整波)の予測です。
最後、3つ目は「2-4チャネルライン」です。1波と4波の終点を結び、この線と平行になるように1波の終点からもう一方の線を引きます。これは、推進の予測となります。つまり、5波の予測に使われる、ということです。
エリオット波動のトライアングルパターン
つまり、トライアングルパターンが終わると、トレンド方向に上昇する可能性があるのです。
エリオット波動のフラットについて
つまり、下降の1波目と2波目の中にそれぞれ小波が3つある、ということです。最後の下降(3波目あるいはC)で小波が5つ観測できます。
エリオット波動の計算サイト・アプリ
また、エリオット波動を計算できるサイトもあるため、必要な人はチェックしてみることをおすすめします。
エリオット波動インジケーターの種類
エリオット波動の主要なインジゲーターは2種類です。EWProとZig Zagです。前者は正確な分析をする際にはあまり機能しません。後者のZig Zagは大まかな波をカウントすることに利用できますが、これもまた、正確とは言えないのです。
Zig Zag
勿論、これらのツールを使うことは有用ですが、人間の目視で判断することが必要不可欠になることを覚えておきましょう。
「エリオット波動入門」がおすすめ!本を読んで勉強する
エリオット波動理論は、投資の基本的な知識であるにもかかわらず、日本語の文献(インターネット上ではサイト)が少ないです。日本語で出版されているエリオット波動の本として、「エリオット波動入門」が有名です。
宮田直彦氏のエリオット波動レポートを参考にする
また、契約しなくとも、簡単なサンプルレポートは閲覧することができます。エリオット波動をどのように分析すれば良いのか、プロの視点を参考にしましょう。
日経平均チャートのエリオット波動論を用いた分析方法
つまり、この推測が正しければ、次にE波すなわち、推進波を描くということになるのです。
FXではエリオット波動は使えない手法って本当?
また、エリオット波動は長期足よりも、短期足で威力を発揮する、という点があります。
エリオット波動が活躍する短期足
3波目はトレンド方向に急上昇すると上述しました。その点を踏まえて、いつエントリーするかを考えてみましょう。
エリオット波動を簡単に活用する3原則
- 第1原則は「3波目が他の推進波の中で一番短くなることはない」
- 第2原則は「2波目が1波目のスタートした地点を下回ることはない」
- 最後の第3原則は「4波目が1波目の高値を割り込むことはない」
ということです。
エリオット波動の第1波の特徴・見分け方
第1波を見分ける簡単なサインは「以前の高値を更新したか否か」です。以前の高値を更新している場合は、下降のC波が終了し、8サイクルが終了していることが考えられます。
エリオット波動の第2波の特徴
第1波に続く第2波は下降していきます。しかし、注意しなければならないのが、「第1波の始点まで下降することはない」ということです。そして、3波構成となることにも実際に注目してみましょう。
エリオット波動の第3波の特徴
5波の中で最も分かりやすいのが第3波のため、初心者の方はこの3波を狙って利益を上げることが肝要と言えます。
エリオット波動の第4波の特徴
第2波と同様の調整波となるのが、第4波です。第2波と同様に3波構成となりますが、第2波と同じ形にはなりません。また、第1波の終点まで下降することはない、とされているのも大きな特徴の1つです。
エリオット波動の第5波の特徴
他の波との関係で第5波がどのように上昇していくのかを見極めることが大切です。
エリオット波動を用いたトレード初心者もわかりやすい使い方
基本的にトレンド方向に急上昇する第3波を狙います。第2波が終われば必然的に第3波がやってきます。つまり、ベストなタイミングとしては第2波の調整波が底をつけ、第3波が上昇し始めたときにエントリーすることになるのです。 エリオット波動の基本パターンとは
エリオット波動のエントリーポイント
上昇することが「判明」してからエントリーする、という点がポイントとなります。つまり、調整波の終点では、まだエントリーしないということです。あくまで、目視で推進波が観測できたらエントリーする、ということになります。
エリオット波動を用いた空売り手法
つまり、この理論通りに言えば、1サイクルが終わるC波を狙うのが、空売りにおいては有効だということです。
エリオット波動のスキャルピング手法
そして、今現在の安値が過去にも観測できたかを確認してみましょう。過去に同じような安値を記録して上昇、を繰り返している場合、今現在観測している安値から上昇する可能性があるのです。
エリオット波動を用いた今後の予測例
そして、もしこの予測があっていたとしたら、3波目でトレンド方向に急上昇する可能性があるのです。
エリオット波動理論と相性の良いグランビルの法則
グランビルの法則を適用することで、エリオット波動が抱える「取引サインが明確でない」というリスクを補うことができるのです。
エリオット波動を活用して損切りを少なくする方法
損切りを少なくするためには、エリオット波動をしっかりと見極める必要があります。正確に見極めるにはそれなりの練習が必要であることを覚えておきましょう。
株式投資、エリオット波動の見方と使い方は?エントリーのタイミングも
出典:外為オンライン (実戦チャート術)
- 原則①:上昇波において3波は1波、3波、5波の中で最も短くはならない
- 原則②:上昇波の中で2波が1波の始点を超えて修正することはない
- 原則③:上昇波の中で4波が1波の高値を割り込むことはない
1-4.エクステンション
2.エリオット波動の使い方
2-1.エリオット波動の基本形
下降一波(a波)
下降二波(b波)
下降三波(c波)
3.エリオット波動をトレードに活かす
3-1.フィボナッチ・リトレースメントでエントリーポイントを決める
3-2.ZigZagを利用して、波動解析をする
学生時代にFX、先物、オプショントレーディングを経験し、FXをメインに4年間投資に没頭。その後は金融業界のマーケット部門業務を目指し、2年間で証券アナリスト資格を取得。あおぞら銀行では、MBS(Morgage Backed Securites)投資業務及び外貨のマネーマネジメント業務に従事。さらに、三菱UFJモルガンスタンレー証券へ転職し、外国為替のスポット、フォワードトレーディング及び、クレジットトレーディングに従事。金融業界に精通して幅広い知識を持つ。証券アナリスト資格保有 。Twitter : @sweetstrader3 / Instagram : @fukuokasho12
最新記事 by エリオット波動の基本パターンとは 中島 翔 (全て見る)
- 国内仮想通貨取引所とレンディング専門会社の違い【暗号資産を貸して増やす】 - 2022年7月7日
- 2022.7.7 マーケットレポート【欧州通貨の下落が止まらない展開】 - 2022年7月7日
- ネクソン、「メイプルストーリー」のNFTゲームについて解説 - 2022年7月7日
- 円安はいつまで?円安転換材料と2022年下半期の注目通貨ペアを3つ紹介【2022年7月】 - 2022年7月6日
- 2022年上半期の仮想通貨市場と今後の展望【仮想通貨取引所の元トレーダーが解説】 - 2022年7月6日
おすすめの株式投資のサービスや証券会社は?
PayPay証券
1000円から日米株にスマホで投資できる!IPOに1株から申込可能。キャンペーンも開催
ファンディーノ
IPOやバイアウトを目指す急成長企業に数万円から投資可能!ESG企業の募集案件も多数
株式投資の最新ニュース
- 2022/7/72022.7.7 マーケットレポート【欧州通貨の下落が止まらない展開】
- 2022/7/6生活費高騰による家計への影響、約8割が実感。松井証券「家計管理に関する実態調査」
- 2022/7/6LINE証券、株式・FX・CFDで3周年記念キャンペーン。株式は「アフタヌーンセールEX」を5日間連続開催
- 2022/7/6円安に物価高…経済不安で資産形成に関する意識にも変化?Paypay証券調査
- 2022/7/6シーメンス・モビリティ、エジプト高速鉄道プロジェクト獲得。車やバスと比べCO2を70%削減へ
株式投資の人気コラム
学生時代にFX、先物、オプショントレーディングを経験し、FXをメインに4年間投資に没頭。その後は金融業界のマーケット部門業務を目指し、2年間で証券アナリスト資格を取得。あおぞら銀行では、MBS(Morgage Backed Securites)投資業務及び外貨のマネーマネジメント業務に従事。さらに、三菱UFJモルガンスタンレー証券へ転職し、外国為替のスポット、フォワードトレーディング及び、クレジットトレーディングに従事。金融業界に精通して幅広い知識を持つ。証券アナリスト資格保有 。Twitter : @sweetstrader3 / Instagram : @fukuokasho12
コメント